無印良品 | ムジルシリョウヒン
1. 素材の選択 2. 工程の点検 3. 包装の簡略化 極めて合理的な生産工程から生まれた商品はとても簡潔です。 言わば「空っぽの器」のようなもの。単純であり空白であるからこそ、 あらゆる人々の思いを受け入れられる究極の自在性がそこに生まれます。 無印良品の誕生は1980年。起点はものの生産プロセスを徹底して合理化することで 簡潔で気持ちのいい低価格商品を生み出すことでした。 具体的には「素材の選択」「工程の点検」「包装の簡略化」を通して商品を見つめ直しています。 たとえば、紙の原料であるパルプを漂白するプロセスを省略すると、紙はうすいベージュ色になります。 無印良品はそれをパッケージ素材やラベルなどに用いました。結果として非常にピュアで新鮮な商品群が現れたのです。 演出過剰ぎみだった一般商品と好対照をなす商品群は、日本のみならず世界に衝撃を与え、大きな共感とともに受け入れられました。 それは「これがいい」「これでなくてはいけない」というような強い嗜好性を誘う商品づくりではありません。 無印良品が目指しているのは「これがいい」ではなく「これでいい」という理性的な満足感をお客さまに持っていただくことです。 「これがいい」には微かなエゴイズムや不協和が含まれますが「これでいい」には抑制や譲歩を含んだ理性が働いています。 しかしながら「で」の中には、あきらめや小さな不満足が含まれるかもしれません。 無印良品は「で」の中にある小さな不満足を払拭し、明晰で自信に満ちた「これでいい」の次元を目指します。 極めて合理的な生産工程から生まれる無印良品の商品はとても簡潔ですが、 これはスタイルとしてのミニマリズムではありません。言わば「空っぽの器」のようなもの。 単純であり空白であるからこそ、あらゆる人々の思いを受け入れられる究極の自在性がそこに生まれるのです。 省資源、低価格、シンプル、アノニマス(匿名性)、自然志向など、いただく評価は様々ですが、いずれに偏ることなく、 しかしそのすべてに向き合って無印良品は存在していたいと思います。
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